胃アニサキス症のお話
生魚を食べて数時間後に強い胃痛や吐き気を経験したことはありませんか?患者さんは痛みが強く、一晩眠れなかったといいます。
このような患者さんが来院すると、経験のある医師ははまずアニサキスを疑い、「刺身かお寿司など生魚を食べていませんか?」と聞くはずです。近年、内視鏡検査が普及するに従い、アニサキス症の診断と治療が容易になってきました。
アニサキス症とは?:生魚の刺身から、アニサキスの幼虫が胃の中に入り、胃壁に食いついてアレルギー反応による激しい痛みをおこします。アニサキスは直径0.4〜0.6cm、体長2〜3cmで、北海道ではイカ、タラ、ホッケ、ソイなど魚の内臓に寄生し、死んでしまうと筋層に移動します。新鮮な魚類の輸送技術が向上するに従い、日本全国どこでもみられる病気になっています。日本では年間約2000例が報告されております。
予防は?:アニサキスは50〜60℃の熱を加えるか−20℃以下で24時間保存すると死滅すると言われます。しかし、酒、酢、塩、味噌、スパイスでは死滅しません。調理するときは蛍光灯など明かりに透かすも大切です。「タタキ」や「イカソーメン」なども理にかなった調理法といえます。
治療は?:薬剤では効果は期待できず、内視鏡で摘出することで劇的に症状が改善します。まれに大きな潰瘍を作ることがあり、虫体が複数のこともあります。また、小腸や大腸にはいった症例も報告されており、小腸に入った場合は腸閉塞症状をおこすことがあります。
心当たりのある方は絶食で消化器医を受診して下さい。
[ 更新:2008-01-18 16:04:15 ]